リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合   「検査の向こうに育つもの」

リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合の学習支援は検査から始まります。

ほぼ1か月間にわたって二種類の検査をさせていただいています。

子どもたちにとってこれが、大変!

初めて来る場所で、慣れない指導員の前で、緊張しながら懸命に検査に耐える子供たちの姿を見ていると、
・・・「がんばれ~」という思いと
・・・「もう無理はしなくてもいいよ」という思いと
相反する思いが錯綜します。検査をするほうもされるほうも、大変な1か月、なのです。

昨年度担当したA君。

いつ終わるとも知れない彼の質問は、検査そのものを無効にしてしまう→回避しようとするものでした。

・・・「これから、魚の名前を覚えてね」と説明すると、
・・・「どうして覚えなくっちゃいけないの?」とA君。
・・・「その魚って、海にいるの? 川にいるの?」。
僕が言葉に詰まると、
・・・「どうしてわからないの?」、
・・・「何で知らないの?」・・・A君の質問が続き、検査が止まってしまう。

<この子は、たぶん、検査がどんな答えを求めているか、わかっている。頭の回転の速い賢い子だなぁ。・・・素直に回答できない何か原因がある!>

 

結局、検査は中止となり、そのまま支援に移行したのですが、支援の際もまた大変でした。→色々ありました。
「どうしてこの課題をしなくっちゃいけないの?」とA君が言い放って席を立ったその後には、びりびりに破かれた課題だけが残った日もありました。

しかし、秋のある暑い日のこと。

・・・「もう秋なのに、どうして暑いの?」とA君。
・・・「大人たちが地球を汚したからだよ」と僕。
・・・「どうしたら治るの?」
・・・「今の大人には、どうすることもできないんだよ」
すると、しばらく考えていたA君がはっきりした口調で言いました。
・・・「じゃあ、僕が大人になったら、治してあげる!」

ものごとを必死で回避しようとする“どうして”の質問が姿を消し、そこには、前向き・建設的に考えるA君の姿がありました。
以降、A君は少しずつ課題に取り組めるようになってゆきました。

今年度はクラスも担当も変わり、A君とは支援の合間に時々会うだけになったのですが、
・・・「やあ! 元気で過ごせているの?」との僕の問いに
・・・「うん」と答えるA君の瞳が笑っている。
ほんとうは、学校でつらいこともたくさんあるのに、相手の気持ちを汲み取って答えるA君は、いつのまにか、去年よりもずっと成長したように見えます。

僕の気づかないところで、
検査なんかじゃ測れない
確かな心が、育っています。
どの子も、みんな。
困ったことが起きたときに、逃げるのではなく前向き、建設的に考えることができる力は、大人になったときに必ず子どもたちの力になります。

だから、
<ずっと、がんばっていてくれて・・・ありがとう!>

 

 

リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合 山之内

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