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2021.05.13

父との思い出

こんにちは訪問看護師の辰己ふみ子です。

今回は私の父の話と、そこから学んだ看護師としての心がけについて書きたいと思います。

 

私の父は四国で生まれ育ち(5人兄弟の上から3番目)ました。幼小の頃からあまり身体は強いほうではなかったと聞いております。父は78歳の生涯でした。

幼少期は四国で育ち、成人してからは大阪で就職し、母と知り合い新居を構えました。長男が生まれたあと、終戦となり父の故郷である四国に移り住んだと聞いております。実家は昔から味噌作りをしており、冬場は忙しく家の仕事を手伝っていたと聞きました。

 

父は背が高く、洋服を沢山持ちお洒落を楽しんでいたようです。他にも趣味として晩年になってから油絵をはじめ、雑誌を参考にして風景画(海の見える港や船の絵)をよく描いていました。

その時に入賞した絵は今も私の妹の家に飾ってあり、訪れた時には昔を懐かしみ、父を思いだしながら鑑賞することがあります。又、列車に乗って遊びに連れて行ってもらった事、海が近かったので潮干狩りにも行った事など遠き思いでとなっております。

 

そんな父は、70歳台の時に突然自宅で倒れ、脳梗塞を発症しました。以降入退院を繰り返すようになりました。私が30代の頃で、子供が大きくなり看護師として、再就職をした矢先の入院でした。そのため、すぐには休みがとれず、病状は母から聞く情報だけでした。徐々に体力も低下し、起き上がることもできなくなったとのことでした。

状態も次第に悪化しており私が面会に行った時には言葉を交わすことができない状態でした。

家族や親族は看護師である私に期待していた面もありましたが、遠方に住む私にとっては看病もできず、何かしてあげたい気持ちだけで葛藤していました。

父の元で、もっと何かができたのではないか、父は何かしてもらうことを待っていたようにも見えました。

 

月日は流れた今でも何もできなかったことを悔やまれてなりません。

そのため、普段の訪問看護支援ではその当時のことを思い出し、今病気や障害で看護が必要な利用者様に対して正面から向き合い、安心していただけるように心がけています。

看護師として看護の基本は患者様の言葉を傾聴するだと考えています。しっかり向き合うことが大切であり、父にはできなかったことを思い出しながら、日々の看護に取り組もうと思っております。