ブログ

ブログ

2021.07.30

過疎地での訪問支援で感じたこと

こんにちは、訪問看護ステーションの作業療法士 斧山です。

 

私は奈良県南部の天川村、黒滝村にも訪問リハビリに行かせていただいています。

 

私自身が黒滝村の出身であり、小さい頃から近所のおじさんやおばさんにお世話になりながら育ってきました。

現在、私が小さかった頃の近所のおじさんおばさんは、高齢になられ、病気をされながらも、住み慣れた場所で過ごされている方も多くいらっしゃいます。

 

天川村や黒滝村には、周辺にスーパーやコンビニはほとんどありません。(個人の商店などは点在しています)

そのため、生活するためには自分で歩いて畑で作物を作ったり、買い物に行くにも車を運転する必要があります。また、市街地で住むことと比較すると、福祉サービスも不足していて不便に感じることもあります。例えばデイサービスや訪問介護の事業所が少なく、気軽に介護を利用することが難しいです。

 

その反面、地域が密であるため地域の人を把握しやすいことや、行政サービスの対応が早く、今回のコロナウィルスワクチン接種の対応は早かったと伺うこともありました。

 

訪問先の利用者様と話をしていると、「住み慣れた場所がいい」と話される方が多いです。

リハビリで支援をしている方には、ケガをされて運動能力が低下している中でも、自動車運転を継続している利用者様もおられます。自動車の運転ができないと買い物や通院などができなく困るのです。

 

そのような方には、自動車への乗り降りの能力の維持、改善を目的に関わらせていただいています。

不便なこともあるけれど今まで同様、同じ場所で住み続けることが目標と話される方も多くいらっしゃいます。

 

では、住み慣れた場所で長く住み続けるにはどうすればよいのでしょうか?

 

やはり「健康」でいることが第一になってくると考えられます。

健康でなくなってくる。例えば、病気やけがなどをして今までの状態と変わってしまい、今までの生活を送ることができなくなってしまうことや、病気や怪我だけでなく、加齢によって記憶力や判断力、体力の低下が今までの生活を脅かす原因になってきてしまいます。

 

過疎地で住む方も市街地で住む方も、住み慣れた家で過ごしていきたいという思いは同じであると思います。

場所は違っていても、長い人生で生活を送っていくということは健康でなければいけないなとリハビリをさせていただきながらしみじみ感じています。

 

そのため、訪問リハビリでは、日頃の生活状況や動作確認をすると同時に、屋内外や畑でまの歩行訓練や畑での動き方の指導等をさせていただいています。

生活の中で転倒して怪我をしないように評価や指導を行っています。

 

今まで生活をされている中で自分ではできると感じていても、客観的に観てみると、実は危険が潜んでいる可能性もあるため、改めて注意を促したりもしています。

 

また、天川村にはコミュニティーナースさんがおり、UT訪問看護ステーションの看護師としても活動してくださっています。その方とも利用者様の情報を共有し、今はコロナの影響で少なくなっていますが、利用者様が地域のお祭りや行事に、参加していただけるような取り組みや促しをしていきたいと考えています。

 

これからも、市街地、過疎地それぞれの地域で生活されている利用者様の環境や生活に必要な生活の中の作業を考えリハビリをしていきたいと思います。

 

ユーティー訪問看護ステーション

作業療法士 斧山智徳