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2020.09.09

「ひまわりを育てる」

訪問看護ステーション、作業療法士の中田です。
気候が変わる季節であり、体調を崩しやすくなっていますが、皆様は大丈夫でしょうか。
 
 
今回はある利用者様のリハビリの様子を報告させていただきたいと思います。
訪問リハビリでは、日々の作業をすることでその人らしい生活を支援し、体も心も元気になってもらうように取り組んでいます。
 
私が担当しているA様は訓練をしていく中で徐々に筋力やバランスなどの身体機能は向上し、生活動作も安定してきています。
ただ、以前に比べると運動機会は少なく、日々椅子に座っている時間が長い生活となっていました。そのため、体が弱りやすい生活習慣と言えます。
 
生活習慣を改善し、運動機会を増やすことで、体が弱りにくい生活に変更していければと考え、訪問リハビリの際に庭の花壇にひまわりを植えることを提案しました。
 
ひまわりの種は私の住んでいる近所のおじさんからいただきました。ちなみにこのお宅のひまわりは4mほどの高さまで成長しているもので、「こんな大きなひまわりができたら感動するなー」と思い、ひまわりを一緒に植えることにしました。
 
しばらく花壇で花を育てていなかったこともあり、土を耕すことから始めました。鍬で土をひっくり返す動作はふらつきも見られ、不安定でしたので一緒に行いました。
鍬を扱うのは足の踏ん張りと腕の力、体幹の力など全身の運動になり良い筋力訓練となりました。私がするのも疲れるくらいでしたので、休憩を挟みながら徐々に行いました。
 
A様は庭に出ると雑草が気になり、ついでに抜いていました。
「ついでに」「ついつい」行う行動は生活を良くしていく上でいい影響があると思っています。
生活はいろんなことが密接につながっており、ついでにいろんなことをするうちに生活が充実(忙しく)していくのだと思っています。そんな生活が、体を良くしていき自立した生活を促進するものと思っています。
 
ひまわりの種を植えることをきっかけに毎日水やりをする、ついでに草引きをするなどの習慣ができていきました。そのこともあってか、歩行や前屈みの動作が安定してきました。
 
 
今年は夏前の雨が多く訪問の際に庭に出れず、種を植えるのが遅くなり、花が咲くのか不安でしたが、無事に2m程の高さまで成長しました。
訪問リハビリのたびに花の咲き具合を確認していましたが、花が咲いた時は一緒に嬉しくなりました。
 

(写真を撮るのを忘れましたので私の自宅で咲いたものです。。。)
 
一緒に何かを取り組むことで楽しい経験となりました。
せっかくひまわりを植えたので、その後に種を取ってもらうことにしました。
背の高いひまわりを背伸びをして切り、種をとってもらいました。
 

 
一輪のひまわりからも結構な量の種が取れてびっくりでした。
種を分けてもらい来年はユーティーのデイサービスやキッズなどでも育ててもらえればな〜と勝手に計画しています。
 
花を育てることの良い点は季節を通して続けてできることで、A様も種を取った時には「来年はいっぱい咲くようにできればいいな。」と来年の話をされていたのが印象的でした。将来の作業に繋がったのがよかったです。
 
一つの作業が他の場所や人、来年の作業へ繋がっていくいい経験できたと思います。
いろんな作業のつながりを利用しながらリハビリの効果を最大限高めていければと思います。
一つの作業がいろんなことや人につながっていき、いろんな人を豊かにしていく。訪問リハビリではそんな場面を多く支援できれば素敵なことだと感じています。
 
今後もいろんな作業を提案し、その人の良い習慣作りを支援できればと思います