リハビリ発達支援ルームUTキッズ 読みの力はどのように育つ①「読み書きへの興味・関心の芽生え」
新しいブログのページ「トモチカの部屋」が開設されました。
「トモチカの部屋」って?という方も多いかと思いますので、自己紹介も兼ねて説明させていただきます。
まず、「トモチカ」というのは、私、リハビリ発達支援ルームUTキッズの作業療法士 福西知史(ふくにしともちか)のことです。UTキッズに入職して4年経過し、いくつかの事業所に関わりながら、様々な支援や取り組みを経験させていただいております。
「トモチカの部屋」は主に学習支援の取り組みに関しての情報発信をしていきたいと思っております。ブログ管理者の方から月1回の更新を命ぜられており、気合を入れてブログ作成していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
学習支援を行う中で非常に重要な要素である「読みの力はどのように育つか」について何回かに分けて書かせていただきます。今回は第一弾として、「読み書きへの興味・関心の芽生え」をテーマとさせていただきます。
読み書きへの興味・関心の芽生え
皆さんは読み書きをどう学んだか、文字をどう覚えたかということを記憶していますか?こう尋ねると4,5歳頃に、幼稚園や家庭で点線で書かれた文字をなぞって練習したとか、「の」や「く」を逆さまに書いて注意されたなど、文字の形を「書く」ことに関してのエピソードを思い浮かべる人が多いようです。それに比べて、いつ頃から読むことに関心をもち、いつ頃からどうやって読めるようになったかということは、あまりはっきりと記憶に残っていないことが多いようです。
多くの子どもたちは、生活の中で、周囲の大人や年上のきょうだいたちが、新聞や本を読んだり、書類を書いたりする姿に接して、自然と文字に関心をもち始め、入学前にある程度ひらがなが読めるようになっています。
まだ文字の読み方を知らない子どもたちが、幼稚園・保育園の先生の真似をして、紙芝居や絵本を1枚ずつめくりながら、あたかも読んでいるようにふるまうことがあります。耳をそばだてると、ちゃんと「~しました」「~といいました」のように書きことばの文体を用いて語っています。子どもたちは文字が書かれた紙芝居や絵本などをどのように扱うものか知っていて、絵と文字とは異なるものであること、文字で書かれている内容などについて、それなりの知識をもっていることがうかがわれます。子どもが大人に「これ読んで」と絵本をもってくる姿は、幼い子供のいる家庭ではよく目にする光景です。このとき子どもは、「これ話して」とは言わず、「読んで」と言います。子どもは、まだ自分自身は読めないけれど、「話す」ことと「読む」ことの違いがわかっているようです。線で構成されたものは“じ(字)”というものがあって、文字のまとまりが自分の知っていることば(単語)を表し、それらがたくさん集まって何らかの情報を伝えるという文字の機能を知っているようです。
このような文字の機能に気づき、興味を示す子どもたちの姿は、本格的な読み書き学習が始まる前の、いわば、文字への関心の芽生えの時期にみられるもので、子どもたちが文字の世界に一歩足を踏み入れたことを示しています。
近年、携帯電話、スマートフォン、パソコンなどデジタルツールが多くなり、活字を目にすることが少なくなってきています。大人が本を読む、手紙を書くといった機会が少なくなっていることにより、子どもも文字に触れることが減り、興味、関心につながらない環境になっているのではないでしょうか。
乳幼児期から子どもが興味を示す絵本や図鑑、紙芝居などを見つけ、読み聞かせをしたり、一緒に読んでみたりする遊びのなかで文字に触れさせてあげることが読み書きへ興味関心をもち、学習につながる一番の近道になるかもしれません。
最後に年齢別人気の絵本を紹介しておきます。参考までに。
0歳「じゃあじゃあびりびり」
1歳「きんぎょがにげた」
2歳「いやだいやだ」
3歳「おべんとう」
4歳「ノンタンのたんじょうび」
5歳「けんかのきもち」
6歳「くまのこうちょうせんせい」
リハビリ発達支援ルームUTキッズ 福西知史