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2017.06.30

感覚統合とは

感覚統合療法(Sensory Integration)とは

UTキッズでは、感覚統合療法を中心とした活動の中でお子さんにアプローチを行います。感覚統合療法は、アメリカのエアーズさんという作業療法士によって考案された理論です。まず感覚統合について簡単に説明します。
感覚統合とは?
私たちは日々の生活の中で、知らず知らずのうちに自分の体を上手に使ったり、人とコミュニケーションを取ったり、周囲の環境と上手く関わっています。それは脳に入ってくる感覚を整理整頓・まとめること=感覚統合をしているからなのです。
感覚統合は子供が成長・遊び・勉強をするうえで、とても大切なものなのです。
感覚統合理論では、次の3つの要素を大事にしています。
①楽しい活動 ②ちょっと頑張れば成功できるもの ③成功体験

これらの要素を通して、子ども達は「やってみよう」と思い→「できた!」と喜びを感じ自信を持って→「次へのチャレンジ」へとつなげていきます。

ではその必要な感覚にはどんなものがあるの?

一般的によく知られているもの・・・視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚 無意識に感じている感覚・・・前庭感覚(平衡感覚)、固有受容覚

触覚→触ったり触られたりするときに感じる痛みや温度・材質(硬さや柔らかさ、ざらざら、つるつる)などを感じ取るために必要な全身の皮膚で感じる感覚で、危険を察知したり、触ってそれがなにか・どんなものかを確かめることに働きます。
前庭感覚(平衡感覚)→体の傾きやスピード、揺れ、回転、重力を感じ取るために必要な耳の中にある三半規管などで感じる感覚で、バランスを取ったり、姿勢を立て直すことなどに働きます。
固有受容覚→自分の体の位置や動き、力の入れ具合を感じ取るために必要な筋肉や関節などで感じる感覚で、姿勢を保ったり、体をスムーズに動かすことに働きます。
これらの感覚は、感覚統合において非常に大切な役割を果たしています。
私たちは普段、この7つの感覚を無意識のうちに上手に感じ、そして脳の中で整理することによって生活をしています。
感覚の感じ方の違い
感覚統合がうまく出来ない子たちには、上の図のように感覚の感じ方に偏りがあると考えられます。
感覚が非常に敏感な「ビクビクタイプ」。感覚が非常に鈍感な「のんびりタイプ」。感覚の刺激を非常に求める「もっとタイプ」。感覚刺激の識別が難しい「わかんないタイプ」。姿勢の問題を持つ「ぐにゃぐにゃタイプ」。器用さの問題を持つ「もたもたタイプ」など様々な状態の子どもがいます。
それぞれのタイプに問題行動として見られる特徴があり、そのすべてにはちゃんと原因があります。その原因を考える際に、感覚統合の考え方はとても役に立ちます。
視覚・聴覚・触覚・前庭感覚・固有感覚という5つの感覚は子供が成長・遊び・勉強をすることの土台としてとても重要な役割を果たします。
その感覚に偏りがあることで、本来持っている力を発揮できず、集中して物事に取り組むことが出来ず、「落ち着きなく歩き回る」、「人に近づかれることを嫌う」、「先生の声掛けに反応しない」、「危なっかしい遊びばかりする」などの問題行動として現れます。
遊びを通してそういった感覚の偏りをなくし、土台作りができると、その上に自分の体の状態をよく知る事や目的を持って行動すること、秩序のある行動などの能力が積みあがってき、自分の力を発揮して物事に取り組むことができるようになります。その中で成功体験を獲得することで「次もやってみよう!」とさらに意欲的に新たなチャレンジへとつなげていくことが出来ます。

いまお母さんがお子さんについて心配な点や問題行動として見られている原因には、感覚統合が上手に行えていないことが考えられます。「お友達と一緒に楽しく遊びたい、勉強したいだけ」なのにうまく出来ないことはお子さん自身が一番苦しんでいます。頭ごなしに怒るのではなく、お子さんがなぜそのような行動をするのか、何が原因なのかを考えてあげることがすごく大切です。今のお子さんが暮らしやすい生活を私たちUTキッズのスタッフとともに向き合って考えていきましょう!