脳をトレーニングしよう! ~ペアトレを活かして~
第9回 記憶は過去と現在を未来に生かすための学習装置
こんにちは。
今回のテーマは 『記憶』 です。
記憶系の脳エリア
⇓
・知覚した情報や知識を覚える
・体験したことを思い出す
⇓
学んだことを定着させる
- 特徴
・記憶系脳エリア=脳内の広範囲
↓
興味があること
理解していること
情報を伴う体験
繰り返した体験
などが優先的に記憶されます。
・記憶系脳エリア
↓
未来の展望にも大いに関係します
‖
予定の見通し
時間間隔
などにも関係しています。
- 発達の旬
・枝ぶりの発達は生後1年を過ぎた頃から徐々に始まりますが。
3~4歳頃から20歳頃です。
- 発達による影響
・記憶系の脳エリアは、発達障害の約95%に
発達の遅れが出やすいエリアです。
また
・学習が進みにくく反復が必要なタイプ
と
・細かいことまでどんどん記憶してしまうタイプ
があります。
・記憶しにくい⇔記憶の固さ
・一度覚えると変更できない
・一度覚えたやり方を変更できない
・トラウマ(忘れたくても忘れられない)
・不愉快な感情の記憶のフラッシュバック
・理解系も未熟な場合
→状況分析が苦手
→記憶を活用することが不得意
‖
応用が苦手
・睡眠のトラブル
(夜中に何度も目が覚める、寝つきが悪い、朝起きられない)
・てんかんを併発
以上から、記憶系の脳エリアが未熟な場合は
・時間を気にせず行動する
・忘れやすい
・語彙が少ない
などが見られます。
このような場合、ぺアトレで活用できるのは
『環境の整え方』 『トークンシステム』 です。
記憶の固さが柔軟さの妨げになっているので、
子どもが注意できる環境設定はとても大事です。
そして、目に見える形で
自分の行動を書き出す(スケジューリング)、
何をすべきか書き出す(優先順位や期日を守る)
繰り返し同じ行動・学習を行うことで身に付く経験を増やす
そういったことを
トークンシステムを用いて
繰り返す習慣を身に付けていきましょう。
低い目標から始めて
1段ずつクリアしていく喜びをぜひ経験させてあげてください。
そこには 『ほめる』 ことは忘れずに
子どもと関わってくださいね。
参考・引用文献:発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング
加藤俊徳著
リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合
酒井 留美