ブログ

ブログ

2018.05.31

「学校が楽しい!」

こんにちは。作業療法士の酒井です。
 
今回は、訪問リハで関わっている中学生の女の子について紹介したいと思います。
 
私がその女の子と始めた合った時、
彼女は私の声掛けに対してうなずくか一言返事があるだけ。
その返事も、お母さんの顔を見ながら。
私と視線が合うこともほとんどありませんでした。
 
 
「んー、どうやって行こうかな」
 
 
その日から様々なチャレンジが始まりました。
 
そのころ彼女は学校があまり楽しくありませんでした。
自分の気持ちを家族やお友達にも、先生にも伝えることが苦手でした。
 
 
私:「学校で何かしたい事はある?」
 
先ずはそこから突破口を作りました。
 
 
彼女:「部活がしたい」
 
実は彼女にはこんな思いがありました。
 
 
そこで作戦を立てます。
 
まずはお母さんに、なぜ部活がしたいのか、自分の口で伝える。
その後、学校の先生に自分の口で伝える。
 
 
私:「私からお母さんに少しヒントを伝えようか?」
彼女:「自分で言います」
 
 
と彼女は考え、決めました。
 
なかなか言い出す勇気が出なかったようで、時間だけが過ぎていきましたが・・・
 
ついに話すことが出来、無事に部活に入れた時はすぐに笑顔で報告してくれました。
 
 
作業療法としてその後、SSTワークシートや注意課題を中心に、
日々の行動の習慣づけ、おうちでのお手伝い、提出物の期日を守る、
空気が読める、第3者の気持ちを読み取る、イメージする、
語彙を高めるなどなど、現在も進行しています。
 

 
ボードは、今では良く活用され、長期休暇の課題期日が守れるようになり、
また、自分自身で計画を立てることが出来ています。
 
 
ある日彼女から課題について、
 
「お友達はまだ○○に手を付けていないみたいです」
と話があり、自分が上手く進めていることがとても嬉しいようでした。
 
課題テストや定期考査も、注意課題の取り組み効果から、
焦らず、時間配分をし、見直すことも出来るようになり、
点数も上がっていました。
 
それらの経験が更なる自信に繋がり、
苦手な勉強からも逃げず、お友達との会話も上手く成立し、
楽しい学校生活を送っているようです。
 
 
『自分で先を見通し、計画を作ることが出来る』
 
 
当初から心がけて関わっていることです。
そこで、注意課題に取り組む時は、
自分でクリア時間の目標設定を行ってもらっています。
 
彼女は自分の行動が、だいたい〇分くらいでできるだろう、
と予測することが上手かったので、そこを活かしています。
 
それは写真のボードでも活用しています。
 
宿題の取り組みも、以前は30分も集中できませんでしたが、
最近は60分を目標とする時もあります。
 
一度、学校の空き時間で宿題を終わらせることが出来た!
笑顔で報告してくれた時の様子は今でも忘れられません。
 
まだまだ苦手な所もあり、課題はありますが、
初対面とは明らかに表情も変わり、
会話の時も私の顔をしっかり見てくれます。
 
そして何より、自分の気持ちをしっかり伝えることが出来、
定期テストではお友達と結果を競い合う楽しさも知ったようです。
 
テスト課題や勉強も自分で工夫し、
どう取り組んでいるのかも話してくれます。
 
思春期という少し難しい時期ではありますが、
 
日々の生活が楽しい!
 
と思えることが多く見られるよう、
今後も訪問を続けたいと思います。
 
 
そして他にも悩んでいる方々の力になりたいと思っています。
 
いつでも声を掛けてください。
 
 
 
ユーティー訪問看護ステーション  酒井