「枯れ木も山のにぎわい」
先日、とある利用者様のサービス担当者会議が開催されました。
その際、多くのご家族が参加して下さったのですが、その中のお一人が「枯れ木も山のにぎわいで、、、」と仰っておりました。
「枯れ木も山のにぎわい」とは”つまらないものでも,ないよりはましである”という意味だそうです。
その時の状況から考えると「私たちが参加する意味はあまりないかも知れないけれど、居た方が場がにぎわうでしょう」という意味での発言だったのだろうと思います。
ただ、私はその時からその言葉が気になり、とても良い言葉だと感じました。
様々な事柄を色々な角度から捉え直すことで、どんな人・物・状況にも価値を見出すことができるのだなと。
心理学の用語に「リフレーミング」という言葉があります。
「リフレーミング」とは、物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、違う視点で捉え、ポジティブに解釈できる状態になることです。
皆さんこんな経験はないでしょうか?
両親や上司や先輩に何度も注意されたり怒られたりして精神的にしんどくなってしまっている時に、
「それは◯◯さんがあなたに期待しているから言ってくれているのよ。」
「あなたならできると思って言ってくれているんだよ。」
と、周囲の人からアドバイスされたり励まされたことが、一度はあるのではないかと思います。
“注意をされている”という状況は変わらないのに、「自分ばかりが注意されている」と考えてしまうと、しんどい気持ちになってきますが、「そうか。自分は期待されているのか」と考えると、よし頑張ってみようという気持ちになれたりもします。
ただ、人からアドバイスされただけでは、素直に受け入れることができず「◯◯さんは自分の事が嫌いなんだ」や「自分だけ嫌がらせをされている」と考えてしまい、よりしんどい気持ちになってしまうことも多々あるかと思います。
あくまで、自分自身で物事を見る枠組みを捉え直すことが大切ですので、日頃からそのように考える癖をつけておくと良いかもしれません。
私は、以前に生まれてくる子どものためにベビーベッドを組み立てていたのですが、途中で手順を間違えてしまい、大きな板が足の親指に落ちてきて、恐らく人生で1番の痛みを経験しました。
もう痛くて痛くて、なぜ頑張って作っている自分がこんな痛い目に遭わないといけないのかと、身体的にも精神的にも苦痛を味わいました。
しかし、子どもを寝かした時に、板が落ちてしまってはもっと大変な目にあっていたと思います。
痛い目にあったのが子どもではなく自分で良かったと考えることができると、精神的な苦痛は和らぎました。
私自身、しんどい気持ちになってしまった時に、いつでも「リフレーミング」ができているかというと、そうでないことも多いですが、日々の生活が過ごしやすくなるように、活用していきたいと考えています。
皆さんも、ぜひ実践してみて下さい。
ユーティー訪問看護ステーション
作業療法士 岡本光司