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2018.08.06

ペアトレが知りたい!!

第4回 《肯定的注目とは?》
こんにちは。作業療法士の酒井です。
前回は、ほめるため、子どもの行動を観察して記録することをお話ししましたが、今回はその行動を望ましい行動にして増やしていくことのポイントをお話ししたいと思います。
 
「望ましい行動が増えて欲しい」
誰もが思い、さまざまな工夫で取り組んでいると思います。
 
そこに、子どもの行動を肯定的に注目してみることも付け加えてみませんか?
 
~肯定的な注目と否定的な注目って?~
 
たとえば、お母さんが「おもちゃを片づけなさい」と子どもに刺激を入れたとします。
その刺激が入った子どもは “片づける”という行動を起こします。
その結果、お母さんは子どもをほめます。
ほめられると子どもは嬉しいので、同じ行動をまたします。
これが繰り返されることで、その行動は強化され、望ましい行動につながります。
反対に、(否定的な注目として)目につきやすい、悪い行動ばかり注目し、叱責していると
場に合わない、不適切な行動の対応が習慣化してしまいます。
しかし、時にはこの否定的な注目も、ないよりはましな場合もあります。
たとえば、お母さんとお父さんが話をしているところに、割って入りこみ、自分の話ばかりしてしまう、という行動が見られたとします。
親は子どもを叱ります。
この叱った行動が、子どもは、
「邪魔をしてはいけないのかな」 と感じ取れるまで、邪魔な行動を繰り返してしまうかもしれません。
また、スーパーに買い物に行ったとします。
買い物に行く前にお菓子は買わないと約束をしていたとします。
しかし子どもはお菓子売り場で「買って!」と駄々をこね始めます。
親は子どもを叱りますが、この否定的な行動も、親が叱る事で子どもは
「約束は守らないといけないな」「我慢しないといけないな」「我慢したらほめられるかな」と感じ取れるまで、この行動は繰り返されるかもしれません。
叱ってしまう、否定的な注目の行動ではありますが、
何が良くて、何が悪いのか、学ぶには必要な注目ではないでしょうか。
否定的な行動が我慢できた時は、すかさずほめましょう。
ほめられることで子どもは、適した行動や考えを感じ、学ぶと思います。
肯定的注目のポイントは
☆その場ですぐ
☆子どもが注目したことを認識してからほめる
☆具体的な行動を言語化してほめる
☆笑顔でほめる
☆行動を開始した時にほめる・ねぎらう・感謝する
と考え、ポイントを押さえたうえでどのようにほめるか考えてみると
✤子どもがやらなかったことでなく、
できたことに目を向けて、
少しでも成功したことに気づいてほめる
ことが良いと考えます。
 
また、ほめる言葉は
まず☆行いをほめます
☆ほめるタイミングも気を付けます
☆ほめる時は子どもと視線を合わせます
☆ほめる言葉は、短く、明瞭で、肯定的な言葉で
☆効果的にほめるためには、皮肉を避けましょう
 
ここまでほめることを考えていくと、
普段から子どもと向き合っている、子どもと良い付き合い方ができている、
という事が大切なポイントとなってくると思います。
しかし、良い面もあれば、悪い面も出てきます。
*上手くやれたと感じるために、他の子を犠牲にしてはいけない。
*「いい子」という言い方は、全体を評価する言い方なので、具体的な行動だけをいいましょう。
*兄弟姉妹と比較することは、競争心を強めてしまい、敵意を抱かせてしまいます。
こういった悪いほめ方もあるという事も今後の参考になれば、と思います。
ペアトレでは、ほめることがいかに大切か、少しでも理解してもらえたら嬉しいです。
次回は、望ましい行動を増やすためのトークンシステムについてお話しできればと思います。
 
リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合
酒井 留美
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