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2018.10.30

ペアトレが知りたい!!

第5回 《トークンシステムとは?》
 
こんにちは。作業療法士の酒井です。
 
前回は、望ましい行動を増やすための肯定的な注目についてお話をしましたが、
今回はそれに付け加える『トークンシステム』というものについてお話ししたいと思います。
 
 
~トークンシステムとは~
肯定的な注目だけでは、従順さを引き出せない場合に使用する、
頑張るための手段-方法です。
 
4~8歳は、ポーカーチップシステム
9歳以上はポイント制
 
が良いと思いますが、できれば2か月以上継続して取り組むことが必要となります。
 
たとえて言うなら、スーパーのポイントカードや
夏休みのラジオ体操カード などがあげられます。
 
 
では、トークンシステムの手順はどうなっているのでしょう??
 
 
1)子どもとの契約
 
☆子どもの意欲を引く出すことが大事なので、システムについてきちんと説明します。
ゲーム感覚で楽しく行えるもの
☆後で行き違いにならないよう、正確に決めごとをします
☆チップ(コイン、シール)がもらえるのは、約束をやり終えた時だけであることを
はじめにはっきり伝えます。
 
 
2)目標とする行動の決定
 
☆子どもができやすい行動や、あと少しでできそうな行動を、子どもといっしょに考え、最終的には親が決めます
☆日常生活で身に付けて欲しい、身の回りのこと、家の用事、宿題、対人関係における振る舞いなどの行動を具体的に考え、決めます
難易度は高く設定せず、先ずはできるけれども時々さぼってしまうことからはじめます。
 
例えば・・・
朝ごはんを食べる前(〇時〇分まで)に一人で着替えを終える
寝る前のはみがきは洗面所で行う
兄弟で遊ぶときに手を上げずに我慢ができる など
 
 
3)ごほうびは シール? コイン? ポイント?
年齢を参考に、子どもといっしょに考えてみてください。
 
 
4)価値を決める
 
☆行動に対して、あげるシールやチップ、ポイントの数を決めます
☆いくつ貯まったら特典がもらえるか決めます。
☆特典は『短期的特典』『中期的特典』『長期的特典』と、期間も一緒に考えてみてください。
 
 
5)貯め方は?
 
☆シールであれば、を作成し、子どもも親も見える場所に貼ります。
☆コインやポーカーチップであれば、銀行を決めます。
☆ポイントであれば、記録帳を作っても良いでしょう。
*注)*
その際、あげるもの以外は、子どもの手が届かない、見えない場所に
 保管しておく必要があります!
 
 
ここまでの手順をより効果的にするには・・・
 
☆表を作る時、絵や雑誌の切り抜きを活用する
☆用事をする場所に、表を貼っておく
☆特典の絵や写真を、必要なチップの数、ポイント数とともに、見える場所に貼る
☆親にとっても新しい習慣なので、子どもを頻繁にチェックしにいけるように、キッチンタイマーや手がかりを壁に貼っておく
 
と良いと思います。
 
 
そして重要なポイント!!
 

  • 子どもに対し、行いが悪いので特典はすべて取り上げ、これからはポイントで獲得しなくてはいけない、と言うように説明しない
  • 行いが悪い罰として、チップやポイントを引かない
  • 最初は、チップやポイントをあげることを惜しまない
  • 用事が終わる前に、チップやポイントを与えない
  • チップやポイントは、すぐに与える
  • 何に対して、チップやポイントを与えているのか、はっきり言う
  • チップやポイントを与える時、ほめることを忘れない

 
とあります。
 
 
最初に親と子供で決めた目標とする行動でのごほうびなので、目についた嫌な行動と混ぜたり、意外な良い行動にごほうびを与えるのでは、せっかくの決まり事も無駄になってしまいます。
 
ここでも首尾一貫の態度が求められます。
 
反面、こういった楽しみを親子で持ちながら、
子どもの行動を、望ましいものに変化させていく、
これこそがペアトレを通じて実感できることではないでしょうか。
 
 
 
次回は、一番の悩みでもあると思います。
『困った行動を減らすには』
というテーマでお話しできればと思います。
 
 
 
 
リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合
酒井 留美
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