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2020.05.28

リハビリ発達支援ルームUTキッズ 読みの力はどのように育つ④

本格的に暖かくなり、心地よい季節になってきましたが、みなさんお変わりありませんか?私は、去年から続けていた朝活がストップしてしまい、少し不規則な生活になっています。ランニングはしぶとく続けていきたいと思います。
前回、予告していたテーマ「文字と音の変換」について紹介したいと思います。
文字と音の変換
文字と音の単位を理解するには、まず文字がいくつの音でできているかを見つけ出すことが必要です。具体的に説明すると、「りんご」にはいくつの音の粒があるかと問われると、3つと答えられる力のことです。
 
 
【り】【ん】【ご】
 
日本語のひらがなの学習は、ひらがな1文字が一つの音に対応しています。この音と文字の関係性に気づけないと、文字の学習がなかなか進まないという事態が生じることになります。そのためには、最初にひらがなの50音表に記されている文字に対しての音を認識することが重要と言えます。
イラストが含まれている50音表を用いて、「あり」の「あ」、「いちご」の「い」といった風に確認してあげると理解しやすいでしょう。しかし、日本語の音には「おかあさん」の中の「ん」のようなはねる音や「おかあさん」の中に含まれている「あ」のような伸ばす音、あるいは、「はっぱ」の「っ」のようにつまる音があります。これらの音は、話しことばの中では気づきにくいと言えます。
このように、伸ばす音が2つ分の音とわからなかったり、つまる音が1つの音と感じることが難しい、あるいは、その気づきが遅れる子どもたちがいます。小さい「や」「ゆ」「よ」の入ったことば、「きゅうり」や「キャンプ」なども「きゅ」「キャ」を1つの音として感じることが難しい子が多くいます。
【きゅ】【う】【り】
 
これらの音をうまく感じるとできる遊びは何があるでしょう?身近なしりとり遊びの中で、「とり」→「りんご」と続けるとき、「とり」という一続きのことばを「と」と「り」
と分解し、「り」だけを取り出しています。次に続く「りんご」は、「り」「ん」「ご」に分解され、一番はじめの「り」だけを取り出して、「『り』がつくことば」の「りんご」を探し出しています。4歳~5歳くらいになると、自然とできるようになると思われがちですが、実は高度なことを頭の中でしていることがわかると思います。
また、じゃんけんゲームで、グーで勝ったら「グ・リ・コ」、チョキで勝ったら、「チョ・コ・レ・ー・ト」、パーで勝ったら「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」と歩数を通して、一音を意識する遊びも文字と音の変換には重要な遊びであると言えます。しかも、じゃんけんゲームは、「チョコレート」の「チョ」や伸ばす音「-」、「パイナップル」の「ツ」を音として意識することにもつながります。
50音獲得を目標としている時期に、ただ読み書きを繰り返して行うのではなく、「しりとり遊び」や「じゃんけん遊び」などの遊びを楽しんで行ってみてはいかがでしょうか。
 
リハビリ発達支援ルームUTキッズ 福西