リハビリ発達支援ルームUTキッズ 読みの力はどのように育つ②
段々と涼しくなってきましたが、皆さんお変わりありませんか?
私は、少し夏の疲れを感じていますが、早寝早起きを心がけて体調管理をしています。
さて、今回は読みの力はどのように育つのかの第2弾です。
生まれた直後から読み習得までの言語発達
生まれた直後から子どもたちは、周囲の人たちとことばや視線、表情、発声、仕草などによるやりとりをたくさん経験し、その中で言語能力を発達させます。通常、子どもは、就学前までに母国語である日本語を扱い、基本的な言語能力を身につけると言われています。どのような能力かというと、言葉の音を聞き分け、自分で使うことができること、場面や相手によって、丁寧なことば使いをすることなど、状況に合わせたことばの使い方ができ始めるようになります。このような話しことばの発達を土台として、読み書きの習得が始まると言われています。
言語と文字
文字は私たちの生活にとって不可欠であるがゆえに、文字を読み書きできないことが大きな問題になります。文字というと、日本語ではひらがな、カタカナ、漢字があります。その他にもアルファベット、ハングル文字、アラビア文字など、様々な文字が思い浮かびます。すべての言語に対して、必ず文字があると思いがちですが、文字を持たない言語もあります。世界の言語は数千あると言われていますが、文字を持つ言語は100に満たないと言われています。
私たちの直接の祖先であるヒトは、20万年~25万年前に出現したと言われています。文字が誕生したのは、紀元前数千年前と言われているので、それまでヒトは文字を持っていなかったことが考えられています。進化の歴史の中で、ヒトは何らかの伝達手段を持っていたと推測され、音声でのコミュニケーションを行っていたと考えられています。たまたま文字を持つ国に生まれた場合に、文字の読み書きを習得すると考えられています。
文字が表すもの
私たちが普段使っている話ことばは、空気の振動(音波)として空気中を伝わって耳に届きます。もちろん目には見えません。見えない音声を見える形で記録するために考えらえたものが文字です。
ヒトの祖先は、ことばの音声(音波)を、何らかの単位で区切って分解し、単位ごとに文字を対応させることを考え出しました。
このアイデアは、文字を組み合わせれば、どんなことばでも記すことができるという画期的なものです。パズルに例えると、話しことばをいくつかのピースに分けて、それぞれの文字のピースを当てはめるといった感じです。
今回は、読み書きを獲得するまでの言語発達や文字についての内容でした。あたりまえのように使っている言葉や文字が、実は幼い時から長い時間をかけて獲得していることがご理解いただければと思います。
次回は、読み書きに必要な「音韻認識」について触れたいと思いますのでご期待ください。
リハビリ発達支援ルームUTキッズ 福西 知史