傷だって潤いが大切!
訪問看護師の太田です。
以前、私の家族が夜道で溝に足を踏み入れて転倒。膝にけがをして帰ってきました。
さて、どうやって処置をしようか・・・。
まず確認したのは
傷口はきれいかな?
幸いズボンを履いていたおかげで傷口には砂などはついていませんでした。血が出ていましたので、ティッシュをしばらく当てて止血をしました。それからスプレーボトルに少しぬるめのお湯を入れて、噴き付けるようにして傷口を洗い流しました。
次に、
何を貼ろうかな?
救急絆創膏ではなく、ハイドロコロイドパッドを貼りました。すると翌日には白くぷっくりと膨らみ、2日目にはその膨らみがパッドの縁まで迫ってきました。
ここで一度新しいものに貼り換えました。
夫はよせばいいのに外したパッドの膨らみに鼻を寄せてクンっと匂い「くさっ!」としかめっ面。独特のくさい臭いがしますが、これは傷口から出る浸出液とハイドロコロイドが混ざり合って出る匂いです。膿んでいるわけではありません。(ただし傷の周りが赤く腫れていたり、明らかに膿が溜まっているときは使用を止めておいてください。)
貼り換えをおよそ2週間繰り返している間に少しずつ傷口が盛り上がり、小さくなってきました。あと一歩です。
救急絆創膏だとダメ?
救急絆創膏では傷口からの滲出液がガーゼに吸い上げられて蒸発し、傷の表面が乾いてしまいます。ハイドロコロイドパッドを貼ると、傷口から出てくる浸出液を吸収、ゲル化して膨らみ、傷表面を覆います。傷表面に潤いが保たれることで、傷を治す細胞たちが活動しやすくなります。
ただし、転んで砂が付いている傷に消毒液をかけ流してから貼ったりしてはいけません。必ず流水で汚れをしっかり洗い流しましょう。
小さいお子さんだと水道水を直接傷口にかけるのを痛がったり怖がったりする場合があると思います。そんな時は今回紹介したように、スプレーボトルにぬるま湯を入れる方法を試してみてください。
家族の前で看護師の顔になる瞬間でした。
子供たちからは「お母さん、傷見るとき楽しそうやなあ」と言われてしまいましたが、違います! どうすれば痛みが少なくて、スムーズに治すことができるのか、真剣に考えているのです。
あ、ついウキウキと傷の状態を家族に解説をしてしまうからかな?