冬場に多発する“ヒートショック”に気を付けましょう!
みなさん、こんにちは。日ごと寒さが身に染みるようになりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。急に厳しい寒さが体に堪えるようになってまいりました四十路間近の看護師齋藤です。
寒い季節に入り、一日の終わりの入浴がリラックスタイムになっている人も多いのではと思います。ところが、そんな癒しの時間が一歩間違うと、命の危険に…。
入浴中に亡くなるのは全国で年間約1万4000人と推測されていますが、原因の多くは「ヒートショック」である可能性があると言われています。
温度差による血圧変動で起こるヒートショック対策をして、安全にお風呂を楽しみましょう。
【ヒートショックとは】
気温の変化によって血圧が急激に上下し、心臓や血管の疾患が起こる事をヒートショックといいます。
具体的には浴室とトイレは家の北側にあることが多く、特に冬場は暖かい居室から寒い風呂場へ移動するため、熱を奪われまいと血管が縮んで血圧が上がります。お湯に浸かると血管が拡がって急に血圧が下がり、短時間での血圧変動が起こります。
血圧の変動は心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中に繋がりかねません。
特に10℃以上の温度差がある場所は危険とされており、厚生労働省の研究によると11~4月までの時期がヒートショックの好発期です。トイレでもヒートショックを起こすこともあるので、お風呂以外でも温度変化の大きい場所は要注意です。
【予防する対策】~入浴版~
ヒートショックを予防するポイントは、血圧が乱高下しないようにすることです。その為には温度差をなるべく小さくしたり、身体に負担の少ない入浴方法を心掛けることです。
・ポイント①
脱衣所と浴室を温めて温度差を減らす
・ポイント②
お風呂の温度は38~40℃に設定
・ポイント③
風呂から出るときはゆっくりと
・ポイント④
入浴前は飲酒を控え水分補給
・ポイント⑤
入浴前に家族に声をかけましょう
・ポイント⑥
湯船に浸かる前に必ずかけ湯
【ヒートショック状態の人への対処法】
ヒートショックを起こさないように予防に励むことが非常に重要ではありますが、いくら気をつけていてもヒートショックを起こしてしまう可能性はあります。その時の対処法について知っておくと安心かと思います。
もし浴槽の中で気を失っていたり、ぐったりしている現場を発見した場合はすぐに救急車に連絡してください。そして、浴槽の湯を抜きましょう。呼吸・脈拍があるか確認しつつ、可能であれば浴槽から引きあげて安静にさせることが大事です。通報時に、救急隊員の指示がある場合は従いながら救急車の到着を待ってください。
とりあえず1番にできることは、発見=救急要請です。
ヒートショックは高齢者や持病のある方は特に注意が必要ですが、若い人でも食後・飲酒後にお風呂やサウナに入ってしまうとヒートショックのリスクが高まります。
気温差に影響される血圧変化は、年齢に関係なく誰にでも起こりうることです。高齢者に限らず若い人もヒートショックになる可能性があるのです。「自分は持病もなく元気だから大丈夫」ではなく、「自分にも起きるかもしれない」と意識することが大切です。
対策をしながら、一日の疲れと寒さを癒しましょう~(^^)/
ユーティー訪問看護ステーション 看護師 齋藤 三都美