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2020.02.10

母の老いを感じつつ・・・もやもやする娘 

こんにちは、看護師の太田です。
私には78歳の母がいます。三年前に父が亡くなり、田舎で一人暮らしをしています。ここ1年程、母の物忘れがひどくなってきました。
必要な書類を揃えるために役場に行っておくように伝えていても、「そうだった?」とそのままになっていたり、予定を手帳に書き入れたはずが、どこに書いたのかわからないとページをめくり探しています。また、出かける前には必ずと言っていいほど何かを探しています。「鍵が無い」、「案内書がない」、「印鑑が無い」などなど・・・。
母は今でも細々と仕事をしています。仕事上の役割・責任があり、それをやり遂げることを期待してくださる方々がいます。しかし私から見ると、今の母が引き受けて大丈夫なのだろうか、スケジュール管理はできるのだろうか、書類をなくしたりしないだろうかと不安になります。今のうちにどなたかに役割を引き継ぐべきなのではないかと考えてしまいます。でも役割がなくなれば母は単調な日々を送ることにもなります。
また、仕事や趣味活動のために時々市外へ出かけていかなければなりません。やはり母に運転させるのは危険ということで、出来る限り私や姉が運転をして連れて行くようになりました。そうするとどうしても出かける機会が少なくなってしまいます。すると母の気分も塞ぎがちに・・・。電話をかけても元気のない声の時が続いていました。
そんなある日、電話をかけると珍しく明るい口調。同級生から電話があったそうです。最近の様子や車の運転をセーブしていることを話したところ、「それは娘さんがあなたのことを甘やかし過ぎてる。私たちはまだまだ自分でできる。自信を持って」と励ましてくれたと言うのです。「私もふさぎ込んでたらあかんね。」と元気に話す母。この後も、最近の母の様子を心配した同級生や同年代のお知り合いから「物忘れなんて私も一緒、一緒!」、「あなたならまだまだ大丈夫!」と度々励ましのお言葉を頂くようになりました。「確かに過保護になって“何もできないお母さん”に私がしてしまっているのかも」と思う気持ちと、「余計なことを言わないで」と思う気持ちが交錯し、もやもやする私・・・。
車の運転に関してはやはりできる限りは控えてもらいたいのですが、常に私や姉が代行できるわけではありません。公共交通機関といっても田舎ですから本数が限られています。「大丈夫、慎重に、慎重に運転して行くから」という母になんと返していいのかわかりません。
運転免許証返納・・・本人や周りの方たちへの安全を考えれば必要な決断です。しかし、その先の生活はどうなるのでしょうか。正直、まだ私には答えは出すことができません。
ユーティー訪問看護ステーション 看護師 太田奈美子