電動爪切り 自分でできる支援
こんにちは
訪問看護ステーションの中田です。
気温が高くなり、熱中症などの注意喚起をすることが増えてきました。また、生活環境の変化に応じた訓練などに注意して実施しています。
普段の訓練では介助の際などに体に触ることなどがあり、リスク管理の観点から爪切りをしっかりするようにしています。というよりも、爪切りが好きで週に1回程度はするようにしています。
支援の場面では、爪切りが一人でできず困られている利用者様がいます。今回は爪切り動作の自立のためのアドバイスを紹介したいと思います。
訪問リハビリの利用者様の中には、脳梗塞などの後遺症により半身が麻痺してうまく体を動かせない方がいらっしゃいます。生活動作でいろんなことに困難さが見られますが、反対側の体を使う訓練をすることで、できることが増えていきます。
ただ、爪切りは特殊で、切る爪の反対側の手で爪切りバサミを操作する必要があり、片方の手が麻痺していると困難になります。他の動作のように動く手だけで代わりをすることが難しい両手動作となります。
なんとかできる場合でも怪我の危険性があり、積極的にできない方が多いように思われます。
結果、家族や看護師などの介助となってしまいます。
また爪切りの困難さに関しては目が見えなくなっている、指先の動きにくさがある等の高齢者にも当てはまります。
爪切りを自立できるように自助具(便利品)等を使用する場合があります。爪切りの自助具もありますが、特殊なものであり、なかなか手に入らないのが現状です。
身近で手に入りやすく、簡単に使えるものを色々と探して試しています。
最近は「電動爪切り」がネットなどで販売されており、興味があったので、試してみました。
インターネットで探すと、2000円程度から販売されております。
商品は、先端に金属の爪切りヤスリのようなものがついており、それが電動で回転し、爪を削って短くするものです。電動爪切りというより、電動爪やすりに近いかもしれません。
このようなものを使用すれば動きにくい方の手で掴めれば削ることができます。また、掴んで固定することが難しい方に関しては、固定する台や滑り止めを使用すれば一人での爪切りが可能になると思います。
削る部分は、怪我防止のために指が入り込みにくいようになっており安全性もあります。また、削れるスピードもゆっくりで高齢者などにも向いていると思います。
反面時間がかかるので、こまめに爪切りを行う必要があります。
爪切りなど毎日する必要がなく、定期的に行うことのため、介助されることがつい了解されてしまう傾向にあると感じています。ただ、利用者様本人は自分でできるようになりたい、自分のペースでしたい。女性などはおしゃれしたいなど個人の思いがあり、自立できることは重要であると考えています。
今は100均やホームセンター、雑貨屋などでいろんな便利品を見ることが多くなっていますので、そう言ったものを色々と活用しながら、個人にあった道具を選んでいくこと、一人でできることを諦めないことが重要と感じます。
時にはうまくいかないこともありますが、トライ&エラーを繰り返していくことが、自立への道(リハビリテーション)だと考えています。UTの支援では訪問やキッズ、デイサービスなどに限らず、自立(律)に向けて一緒に取り組んでいくことを目指しています。
いい失敗を繰り返し、自身のことを知っていく。そして自分なりの生活を構築・再獲得していく支援ができればと思っています。
今後もいいアイデア商品や方法があれば報告できればと思います。
訪問看護ステーション 作業療法士 中田慎吾