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2022.11.17

希望

こんにちは。言語聴覚士の吉田です。

私はコミュニケーションや食べることに困難を抱える方の支援を行っています。最近はお子さんの訪問をさせてもらう機会が増えています。

ご利用者様の中には生まれた時から、ミルクを口から飲むことができず、鼻から胃に通したチューブから栄養をとり続けているお子さんもおられます。

私が毎週、訪問しています11歳のご利用者様も普段は鼻のチューブから栄養をとっておられます。リハビリの時には口からゼリーを食べる練習を始めました。今まで口から食事をする経験が無かったため、始めは口に食物を入れることに恐怖心や緊張を覚えておられました。

スプーンを近づけるだけでも嫌がっていましたが、少しずつ食べることに興味を示し始め、少量のゼリーを口から食べれるようになってきました。

しかし、ある時から訪問しても一切口から食べようとはしなくなってしまったのです。いくら試行錯誤しても理由がわからず、ご両親も私も困り果てて、しばらく月日が経ちました。

そんなある日のことです。学校で数字や文字を習い始めたので、ゼリーを食べる前には数字板を目の前に置き、お父さんの『いーち!にー!』というかけ声とともに数字を指さししてもらったり、お母さんが数字のチップを数字板に置きながら『さーん!しー!』というように励ましながら食べてもらいました。

するとどうでしょう!少しずつ1口、2口、3口・・・と、どんどん食べれるようになり、しだいに50口食べてゼリーを完食するようになったのです。

あきらめずに試行錯誤を繰り返し、励ますご両親の姿と、懸命に応えるお子さんの姿を見させて頂き感動を覚えました。ご両親はいつも、お子さんに希望を持っておられ、将来は家族団らんで食事をする日を待ち望んでおられます。

私自身も療法士として、また3児の父として、ご利用者様や自分の子どもたちの将来に、どんな時も希望を持ち続けるべきであることをいつも学ばせて頂いております。

これからも試行錯誤を繰り返し、利用者様の希望を叶えられるように支援ができればと思います。

ユーティー訪問看護ステーション 言語聴覚士 吉田宏樹