お知らせ

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2025.06.03

麻痺のある腕と手を生活の中で使ってみようと意識を持つ事が大切!

 

毎度お馴染み、盲導犬とともに仕事をしている作業療法士の辰己貴之です🐾

いつもブログを読んでいただきありがとうございます🙇‍

6月は、麻痺のある腕と手を『生活の中で使ってみようと意識を持つ事』が大切ということを、私の経験を踏まえながらお話しさせていただきます。

私には右の脳がダメージを受けたことにより、左の腕と手に麻痺があります。
普段何も考えずに動いていた腕と手が、脳にダメージを受けたことにより、動きにくく、使うことが難しくなりました。
当初は全く動かすことができなくなった身体に、「この先どうなるのか?」と不安になることもありました。
「自分の事は自分でできるようになりたい」「家族に迷惑を掛けたくない」と思い、リハビリでの訓練や自主トレを重ねていきました。

はじめは、膝の上にある手を机の上に乗せることから始まりました。腕を上げたり開いたり、肘の曲げ伸ばし、手を握ったり開いたりの訓練を積み重ねていく事で徐々に腕と手が動かしやすくなっていきました!
腕と手が動かしやすくなったことに合わせて、日常の生活の中でも使いにくい方の腕と手を使ってみようと意識し、ついつい動かしやすい右手でしていた動作を動かしにくい左手で行うことで日常に訓練を取り入れていきました。
例えば、ドアの開け閉めです。ついつい動かしやすい右手が出てしまうのですが、「いやいや、左手で‼」と意識し、左手を使う事を習慣づけていきました。

着替えの時は、腕を伸ばして袖に通しやすくしたり、ズボンのウエスト部分に親指を引っ掛けて下ろす、ウエスト部分を掴んで上げたりなど、自分の出来る範囲で行いやすい方法を工夫しながら取り入れていきました。

まだまだ道半ば、使いにくさは残っていますが、右手でサポートしながらお茶碗を左手に持って食べることや、携帯電話を左手に乗せて右手で操作したりと、日常の中で左手を沢山使う事が出来ています。

腕や手を動かして使うことが難しくても良いのです。普段している動作に使いにくい腕や手を「添える」ことも「使おうと意識している」のです。その意識が今後生活の中で「使ってみよう」から「使っていく」ことに繋がると思います。
動かすことが難しい場合は、もう一方の手で関節を伸ばす事や、手で触れて皮膚を動かすことから始めてみましょう!

麻痺の状態や回復には個人差があります。
私も障害を持ちながら生きている1人として、これからもこの障害とうまく付き合いながら歩んでいきたいと思っております💪

管理本部 作業療法士 辰己貴之