生駒市訪問看護ステーション連絡会で講演させていただきました
こんにちは。盲導犬ユーザーで作業療法士の辰己貴之です。
11月15日(土)、生駒市訪問看護ステーション連絡会で講演させていただき、12名の専門職の方にご参加していただきました。
今回ご依頼くださったのは、阪奈中央訪問看護ステーションの高山主任さんです。高山主任さんとのご縁をつないでくれたのは、同じ訪問看護ステーションで働く僕の姉です。
「生駒市訪問看護ステーション連絡会」は、生駒市の訪問看護事業所や介護事業所の連携強化を目的に、奈良県看護協会の補助を受けながら続けられている取り組みで、今回がなんと26回目とのことでした。長く続く活動にお招きいただき、本当に光栄でした。
今回の講演では、専門職の方々に向けて私自身の経験をもとに「障害との関わり」をテーマにし、盲導犬の話も交えながら50枚のスライド資料を作成して行わせていただきました。
私はスライドの文字が読めないため、資料の内容をすべて暗記し、iPhoneの読み上げ機能で表題を聞き、その内容に沿って話しています。今回も事前に何度も練習を重ねましたが、初めて話す50枚のスライドで当日スムーズに話をすることができるのか、とても不安な状態でした。
しかし、高山主任さんをはじめ、話を聞いてくださる皆さまの暖かく、柔らかな雰囲気のおかげで覚えた内容がトントンと出てきてスムーズに講演することができました。
質問の時間では、視覚障害と盲導犬の日常生活についての質問が多く出てきました。
「料理はどのように作っているのですか?」、「買い物はどのように行っているのですか?」といった質問には実際に料理を作っている動画と買い物に行っている動画を見ていただき、「普段見ることができない様子が見れてよかった」とご好評をいただきました。
講演の感想を直接聞ける場面もあり、眼科外来で働いていた看護師さんから、患者さんに自分がお勧めしたサービスを受け入れられなかった話があり、「辰己さんの「病気になった当初は、自身がお勧めされたサービスを受け入れられる状態ではなかった」と言う話を聞いてその患者さんも同じ状況だったのではないかと気づくことができました!」と言っていただけました。
最後のまとめで、高山主任さんが「今回の話をきっかけに、自分たちにできることを考えていきたい」と仰ってくださり、講演の意義を実感することができました。後から姉に聞いた話では、高山主任さんは僕の話に深く共感してくださり、涙ぐみながら聞いてくださっていたそうです。僕が「子どもの顔をもう一度見たい」と話したときには、「見れるようになります」と仰ってくださり、その言葉が心に響きました。ありがとうございました。
温かく迎え入れ、話しやすい雰囲気を作ってくださった高山主任さん、ご参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。そして、このご縁をつなぎ、当日のサポートをしてくれた姉にも心から感謝しております。
今回の講演で、自分の経験や視覚障害、盲導犬について皆さんに聞いていただくことができて、とても嬉しかったです。少しでも、障害との関わりについて考えていただくきっかけになればいいなと思います。
これからも、1人でも多くの方にお伝えできるよう、パートナーと一緒に活動を続けていきたいと思います。

管理本部 作業療法士 辰己貴之