脳をトレーニングしよう! ~ペアトレを活かして~ 第3回 発達が遅い子の脳って? ~偏桃体について~
こんにちは。
今回は、脳の発達に影響を与えているもう1つの場所、
“偏桃体(へんとうたい)”
についてまとめてみます。
偏桃体=感情の需要と創造担当
⇓
・喜び、楽しさ、ワクワク感などのポジティブ感情
・悲しみ、怒り、嫌悪感などのネガティブ感情
・愛着や驚き
ということは??
偏桃体に問題がある場合、感情の表出が強すぎたり弱すぎたり、
または怒りの抑制などが難しいなどの情動の問題が起こりやすくなります。
その結果、刺激の強いものや予想がつかない場面や人を避ける、
共感性が乏しくなるなど、社会性の発達にも問題が起きやすくなります。
また、偏桃体は 『刺激の番人』 のような存在で
偏桃体に伝わる、情動に関わる感情をジャッジしています。
このジャッジは海馬とも密接な連結があるため
☆情動の変化を伴う体験は記憶に残りやすく
逆に
☆過去の記憶を思い出すとその記憶に付随する情動も呼び起こされます
⇓
不快な場面で身体症状を引き起こします
(ドキドキ、鳥肌、呼吸が速くなるなど)
⇓
パニックにつながる可能性もあります
お子さんの様々な場面での行動を
ここで思い出している方もいるのではないでしょうか??
そうです!!
お子さんがパニックを引き起こしている時は
もしかしたら
偏桃体での刺激で恐怖を感じているのかもしれません!!
ペアトレで紹介した クールダウン を用いて
子どもが落ち着くことを優先してみましょう。
ここでうまく対応できれば
プラスの体験として記憶に残っていきます。
また、偏桃体の発達により
“自己理解”
と
“他者理解”
のバランスが変わってきます。
1-他人の感情を理解するよりも、自分の感情が優先される発達タイプ
→他人の内面を推測する働きが弱く、自分の感情を強く意識するので、
共感性が乏しく、自分本位の思考や行動になりやすく、
社会的なトラブルを招きやすい傾向があります。
このタイプには 『困った行動を減らすには』 で紹介した
『適応行動』を身に付けさせることが良いと思われます。。
2-自分の感情の理解よりも、他人の感情への理解が促進される発達タイプ
→他人の目が気になって仕方がないため、
自分の感情を表に出すことが少なくなります。
社会的トラブルは少ないですが、
外界や他社に過敏であるためストレスがたまりやすい傾向があります。
このタイプには 『協力を引き出す方法』 で紹介した
方法を用いて 『自己決定』 を促していくことで
“自己を知る”ように導いてあげることがよいと思われます。
偏桃体の働きは無意識でも行われるため、本人に悪気がなくても、
自分で気づかないうちに周囲にも影響を与えて、
社会的なトラブルに発展することがあります。
子どもが周りと上手く関わっていけるよう
子どもの感情をくみ取り、プラスに導いていけるよう
上手くペアトレも活用してくださいね。
参考・引用文献:発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング
加藤俊徳著
リハビリ発達支援ルームUTキッズ河合
酒井 留美
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