発熱の状態と冷やすタイミング
皆さんこんにちは、ユーティー訪問看護ステーション所属 理学療法士の関本です。
10月も中頃になり、ほとんどの小学校や中学校では運動会(中学校では体育祭ですね。)も終わり、運動会の疲れや最近の朝夕の寒暖差に体調を崩されておられませんか?
私にも3人の子どもがいますが、日中は元気にしていた子どもが夕方~夜間に急に発熱することもよくありますよね。「なんで、病院の受付けが終わった時間から熱が出るのよー。」という経験をしたことが良くありました。そんな急な発熱の時にはまず熱を下げてあげたいと思い、“冷やす”ことを考えると思います。しかし、なぜ冷やすのでしょう?冷やすと熱が下がるのでしょうか?
今回は発熱の状態と冷やすタイミングについて調べてみたいと思います。
・まず、発熱って何でしょう?
発熱は免疫反応による脳にある体温調節中枢のセットポイント(脳が認識している体のベストな状態)の変化によって体温が上昇するものです。このセットポイントの上昇は細菌感染や手術創、腫瘍などの異物に対する防御反応が原因と言われています。難しい言葉ばかりで分かりにくいですが要は“ウィルスや細菌は熱に弱い”ので体は病気と戦うために発熱するようです。
・次に発熱の状態は3段階にわかれ、その時々によって状態や適切な対処方が異なるのでそれぞれ紹介します。
1、熱がぐんぐん上がるとき
熱が上がり始める時は体がぶるぶる震えることで熱を作り出そうとする【悪寒(おかん)】と、体内の熱を逃がさないように【さぶいぼ(鳥肌)】が立って皮膚の血管を収縮する反応が体に起こります。(悪寒は発熱だけでなく、インフルエンザや食中毒などでも見られる状態なのでお子さんを気にかけてあげてください)上手に意志を伝えることが出来ない赤ちゃんや小さなお子さんでは“手足がひんやり冷たくなっていないか”というのが目安になります。
このときはお子さんに上着を着せ温かい毛布を掛けるなど体を“温める”ことに徹しましょう。お子さんの体から熱が逃げていくことを防ぎましょう。
2、熱が上がりきったとき
急にぐったりしたりフウフウと言い出して顔が赤くなったり、手足が熱くなったりしてきたときは布団や服は少し薄めにして体を“冷やす”ことに切り替えます。ただこの時は体がウィルスや細菌と戦うために発熱しているので熱を下げるというよりは「これ以上熱が上がらないように抑える」と捉えた方がいいでしょう。
冷やす場所は【脇の下、そけいぶ(太ももの付け根の内側)、首(耳の下)】太い血管の付近をひやすようにしましょう。市販の物をおでこに張るのはあまり意味がないようです。嫌がるわが子を押さえつけてまで貼ることはあまり意味がないようです。(気持ちいいと感じるなら貼ってあげてくださいね。)冷やすことを嫌がるお子さんも多いと思いますが、保冷剤をガーゼで包んでスパッツの中に入れ、足の付け根に忍ばせると子どもが忘れやすいと看護師さんから聞いたことがあります。また、この状態のときも水分摂取にも気を配るようにしましょう。
3、熱が下がるとき
この状態では体を冷やすために汗をたくさんかきはじめます。また、ぐったりしていた症状が落ち着いて活気もみられるお子さんもおられるでしょう。なるべく薄着にして熱が逃げるようにして汗でぬれた服を着替えたり、体を清拭したりしましょう。解熱してきたら積極的に冷やす行為は必要ないですがお子さんが望むなら“気持ちいい”程度で冷やしてあげてもいいようです。また、汗がたくさんでるので脱水にならないように水分補給を行いましょう。
ポイントは冷やすタイミングと冷やす場所のようですね。また“快(気持ちいい)”と“不快”も大事なようです。とはいえ自分の意志をうまく伝えることが出来ないお子様は上記のような全身状態を理解して対処していただくヒントになればと思います。
しかし、子どもの様子がどうもおかしい、でも救急車を呼ぶかどうか迷ったときは下記へ電話相談をおすすめします。また奈良県の休日夜間に対応している診療所の電話番号も合わせて記載させていただきます。
長々とお付き合いありがとうございました。やはり、子どもは元気でいてくれることが一番ですね。
奈良県救急安心センター 相談ダイヤル
♯7119 【24時間受け付け】
こども救急電話相談
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