『絵本』
こんにちは。ユーティー訪問看護ステーション言語聴覚士の吉田です。
今回は私が訪問させていただいている利用者さんが書かれた絵本を紹介します。作者の利用者さんは体が思うように動かず、言葉も話しにくい状態なのですが、30歳代でロン毛のイケメンの方です。
彼は元々、絵を描くことが好きだったそうですが、現在通っているデイサービスに絵の先生が来られ、絵を習う時間があるそうです。絵を描く作業がリハビリとしても効果があるため参加されていたそうですが、ある日、デイサービスのスタッフさんより「絵本を書いて見ませんか?」と提案があり、「絵本作りに挑戦しよう‼」と決めたそうです。どんなストーリーにしようかと考えていた時、「そうだ!デイサービスの創作の時間には、あくびがよく出るので、あくびをストーリーにしよう‼」と思いついたそうです。なんとも直感のまま書かれた絵本ですが、原本を拝見するとこれが実に楽しい内容でした。作者から是非ともアピールしてほしいとの要望があり、絵本の内容を少しご紹介させていただきます。
タイトルはやはり『あくび』です。
あくびをすると何か一つを忘れしまうという、かわいいウサギさんが主人公です。ウサギさんはふとした瞬間にあくびをしてしまいました。しかし何を忘れたのかも思い出せないのです。ウサギさんはついに、あくびを繰り返すようになりますが、何を忘れたのか全然思い出せないので、さらにあくびをし続けます。ある時、ウサギさんはあくびをするうちにとっても大事にしていた人参を置いて行ってしまいました。はたしてウサギさんは大切な人参を思い出すことができるだろうか、というストーリーです。『あくび』は全部で3部作あり、11月には絵本の大会にも出品されたそうです。
下の写真がその『あくび』です。
利用者さんは自身の経験から『あくび』という絵本を通して、子どもたちに大切な教訓を伝えたいと意気込みを語られました。
私はこのような、利用者さんの絵本作りを通して、どのような状況でも誰かのために役立ちたいと願い実行する姿勢を教えていただきました。
『あくび』は、私の子どもたちにも読み聞かせようと思います‼またこの絵本を読む多くの子どもたちが、絵本のメッセージを通して立派に成長することを期待しています。
ユーティー訪問看護ステーション
言語聴覚士 吉田宏樹