リハビリ発達支援ルームUTキッズ奈良 鬼滅の刃から学ぶ「呼吸」の大切さ
社会現象にもなっている「鬼滅の刃」ですが、昨年、最終巻が発売され物語が完結しました。自分も一ファンとして作品を楽しんでいたので、物語の結末には感動しました。
さて、今や日本中の人々に大人気のこのお話ですが、完結記念に再度読み返していると、気になる記述がありました。
「呼吸を極めれば様々なことができるようになる。何でもできるわけではないが、昨日の自分より確実に強い自分になれる」
この作品で言う『呼吸』とは私たちが普段行っている呼吸とは違い、創作上のものであります。しかし、劇中にあった「呼吸が身体を整える」という点においては全てが創作ではないと言わざるを得ません。
人間には自律神経という生命維持機能が備わっており、さらに運動時や興奮時に働く交感神経、睡眠時やリラックス時に働く副交感神経と二つに分類されます。そしてそれらを整えるには呼吸をコントロールすることが効果的だと言われています。
よく緊張した際に大きく息を吸って深呼吸をすることがあると思います。「吸う」「吐く」というこの二つにも交感神経・副交感神経が関わっており、息を吸うときには交感神経が、吐く時には副交感神経が働きます。つまり、ゆっくり長く息を吐くことで、副交感神経を働かせリラックスしようとしているわけです。
息の吸い方にも効果を上げる方法があります。
深くゆっくりとした呼吸をするためには、たくさんの空気を肺に取り入れなければなりません。そのためには、口からではなく鼻から息を吸うことが大切です。鼻から息を吸うと、肺の下にある横隔膜が動き、よりたくさんの息を吸うことが出来ます。これを腹式呼吸と言います。
長くなりましたが、まとめると『鼻から息を吸う腹式呼吸が上達すると、自律神経が整いやすくなり、気持ちのコントロールをしやすくなる』ということです。もしかすると、漫画の主人公である竈門炭治郎の心の強さの秘訣には、この呼吸も関わっているのかもしれませんね。
最後にお家でできる簡単な呼吸を使った遊びを紹介します。
★壁にティッシュをつけて吐く息だけで落とさないように貼り付け続ける
背中をまっすぐ伸ばした姿勢でやると大きく息が吸えます。最初は壁との距離は近いぐらいから始めるといいかもしれません。落とさずに貼り付けられるようになったら、徐々に時間を伸ばしたり、距離を空けたりすると面白いですよ。
★風船やシャボン玉を膨らませる
シャボン玉は特に鼻で吸うことを意識しやすいのでお勧めです。こちらも慣れてきたら、どこまで大きく出来るか挑戦してみるのも楽しそうですね。
★ストロー笛
ストローの先を少し潰して平たくしたら、両方の角を落とすように斜めに切って出来上がりです。
穴をあけたり、伸びるストローを使ったり、大きな口のストローを使うと音の変化が出てきます。
ぜひ、ご家族みんなで楽しんでみてください!
リハビリ発達支援ルームUTキッズ奈良 森田
参考文献:「凸凹子どもがメキメキ伸びるついでプログラム」