夏だけじゃない!冬に流行する食中毒に気を付けよう。
みなさん、こんにちは。時々息子から「さつみ」と名前を呼ばれ、変にドキドキする看護師の齋藤です。
朝晩は冷え込むようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
前回は夏の食中毒についてお話させていただきましたが、冬にも流行する食中毒に関してはご存知でしょうか。
さまざまな原因によって引き起こされる食中毒ですが、そのほとんどは細菌性とウイルス性。
細菌は高温多湿を好んで増殖するため、細菌性食中毒は梅雨や夏の時期に多く発生します。前回お話させていただいた内容ですね!(覚えてくれていますか?(^_^)/)
一方、ウイルス性食中毒は冬場に増加しやすいのです。低温や乾燥した場所で長く生きることができるウイルスは寒い冬が大好きです。なかでも最も多いのがノロウイルスによる食中毒。ノロウイルスは皆さんもご存知な方が多いのではないでしょうか。
このウイルス、感染力がとても強く、感染規模が拡大することも多いため、年間の食中毒患者数の半分以上を占めているんです。
今回はこの時期に特に流行するノロウイルスについてお話をさせていただこうかと思います。
ノロウイルスとは?さらっとおさらい。
ノロウイルスは非常に感染力が強く、食事前の手洗いや食材に熱を通すなどの予防を行ったとしても、ごく少量のウイルスだけでも感染してしまいます。
主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。
感染経路は接触・経口感染。
辛いことにノロウイルスにはワクチンや抗ウイルス剤はなく、前回の細菌性食中毒と同様に対症療法となります!
・体を冷やさないようにする(熱があれば冷やしてね)
・下痢止めの薬はNG!(体外へウイルスを出そう!)
・整腸剤がベター(善玉菌で悪玉菌をやっつけよう!)
・脱水予防にはORS!(あまり冷たくしすぎないように)
・おなかに優しい食事はうんちの固さを目安にして採るようにしましょう。
水様便(下痢ピーピー)→おもゆ、ORSなど
泥状便(やわらかいうんち)→おかゆさん、ゼリーなど
通常便(いつものうんち)→好きなもの食べてOKよ!刺激物は避けてね
また、ノロウイルスは感染力が強いことに加えて、エタノールでは消毒できないことから、他の感染症より特別な注意が必要なんです!
ノロウイルス対策セット!
感染力が強いことから、一家全滅となってしまうこともあります!そうならない為にもノロ対策セットを事前に用意しておきましょう!
〈必要物品〉
・キッチンハイター
・使い捨て手袋
・使い捨てマスク
・空のペットボトル(500ml)2本
・ペーパータオル
・ゴミ袋
・広げた紙パック(牛乳でもジュースでも何でもOK)
ポイントは「キッチンハイター(塩素系漂白剤)」です!
ノロウイルスの消毒にはエタノールなどではなく、次亜塩素酸ナトリウムが有効となりますが、身近にあるのが「塩素系漂白剤」なんです。
〈家庭用塩素漂白剤の薄め方〉
キッチンハイターなどの家庭用塩素系漂白剤の濃度は「約5%」なので、500mlの量を作るには、
①便や嘔吐物を拭き取るとき→0.1% 50倍に薄める→原液10ml+水490ml
②衣類の浸け置きや便座などの掃除→0.02% 250倍に薄める→原液2ml+水498ml
~実際に嘔吐、下痢に遭遇したら、このように対応しましょう~
①使い捨て手袋・マスクを装着し、空のペットボトルに0.1%と0.02%に薄めたハイターを作る)
②広げた紙パックで嘔吐物を集めて、ペーパータオルで拭き取る(外側から内側に。拭き拡げないよう注意!)
③拭き取った吐物、ペーパータオル・紙パックをゴミ袋に入れる
④ゴミ袋内に0.1%に薄めたキッチンハイターを染みわたるようにかける
⑤拭き取った後の床とその周囲を0.1%に薄めたキッチンハイターで掃除する(目に見えない飛沫が飛び散っているので、かなり広範囲にしましょう!金属系は腐食するので、最後に水拭きしてくださいね)
⑥掃除が終わったら捨てられるものは全てゴミ袋にまとめて捨てる
⑦汚染した衣類や、掃除で着ていた服は0.02%に薄めたキッチンハイターを入れたバケツに60分ほど浸してから洗濯する
⑧しっかり手洗いうがいをし、手指消毒剤をする
(私は念の為このあと、消毒用エタノールスプレーを周囲と自分の体にもシュッシュします)
これからクリスマスに年末年始と楽しいイベントや行事が待っておりますね!寒い冬を元気に楽しく乗りきっていきましょう!
参考:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000838754.pdf
【ブログ作成者】
ユーティー訪問看護ステーション 看護師 齋藤 三都美