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2022.07.01

訪問利用者様 自主練習

皆様こんにちは。

うだるような暑さが続きますが、体調いかがでしょうか。

 

私の職業である言語聴覚士は、英語表記ではSpeech-Language-Hearing Therapistとなり、病院などでは略してSTと呼ばれることも多いです。

言語や聴覚、音声、呼吸、認知、発達、接触・嚥下に関わる障害に対して、検査や評価を行い、必要であれば訓練、指導、支援などを行なうリハビリの専門職です。

 

皆さんの中で、ことばの障害でよく聞かれるのが「失語症」ではないでしょうか。

失語症というと「話せない」「ことばが出ない」というイメージが強いかもしれません。ただそれは症状の一部に過ぎません。中にはよく喋ったりすることはできるのですが何を言っているのか分かりにくいタイプの失語症もあります。

症状は損傷を受けた脳の場所や損傷の大きさによって異なりますが、多かれ少なかれ「聞く」「話す」「読む」「書く」という言葉の働き全てにおいて何らかの影響が生じます。例えば、相手が何を言っているのか分からない、自分が言おうとしてもことばが出てこない、ことばを言い間違う、上手く発音できない、相手の言うことを真似して言えない、文字や文が読めない、字を書こうとしても字が思い出せないなど、様々な困難さが生じます。

 

私はそのような方々の訪問リハビリを行なっていますが、ご利用者さまに自主練習について提案することがよくあります。

そのご利用者さまの中で、脳内出血により右片麻痺と失語症を呈した方がいらっしゃいます。その方は、ことばが出にくかったり言い間違えたり、聞き間違えたりされるも、ゆっくりとであれば聞いて理解し、何とか自分の意思を相手に伝えることができます。ただ細かな説明などは難しく、また特に平仮名や片仮名といった仮名の書字が難しいとの訴えが聞かれます。言語訓練には、とても熱心で、毎回お渡しする宿題を自主的に何度も繰り返し練習されています。この写真を見てみてください!ホントびっくりしますでしょ?

最初の写真が練習なしで書字した課題です。音を間違ったり文字が出てこなかった様子が分かると思います。次の写真が自主的に練習された用紙です。

あまりに一生懸命すぎると途中でガス欠になってしまい意欲も全てなくなってしまう危険性もあるので、うまく息抜きしながら訓練続けてもらえるようお声がけしています。

細く長く楽しく訓練行なっていくのが自主練習の秘訣だと思います。

皆さん楽しく訓練していきましょうね。

 

ユーティー訪問看護ステーション

言語聴覚士 上野なつひ