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2023.09.29

お家で簡単にできるセルフビジョントレーニング

いつもリハビリ発達支援ルームUTキッズをご利用いただきましてありがとうございます。

作業療法士 上西です。

 

突然ですが、皆さん自身やお子さんは以下のような事で困ってはないでしょうか?

 

・眼精疲労が起こりやすい

・物や人によくぶつかる

・球技が苦手

・本読みやテストで文章を読むのに時間がかかる

・板書を写すのに時間がかかる などなど

 

これらの事に困難さがある場合、原因のひとつとして眼の運動のコントロールが上手にできていない可能性が考えられます。

 

「ものが見えにくい」と言うと視力が下がってきていると眼科で検査を受ける事が多いかもしれませんが、視力には問題がなくても「ものが見えにくい」事があります。

見るためには視力だけではなく、見たいものに視線やピントを合わせたり、形や色を見分けたり、見たものを脳で処理して体を動かす等、様々な能力が大切になります。

 

過去の研究の結果から、上手に物を見るためには運動の経験が非常に重要だと言われています。私自身幼い頃から剣道を習っており、相手の体の動きや竹刀の動きを瞬時に捉えて防御したり、攻撃を返す練習を繰り返していました。

そのお陰もあり体育の授業では成績が良かったですし、現在車の運転でも事故を起こしたり、困った事は一度もありません。

自分自身の体を使って物を見る経験は、様々な力の土台になります。

 

前置きが長くなってしまいましたが今回は、眼の運動のコントロール力を高める事で、ものを見やすく且つ、疲れにくくするための自宅で簡単にできるセルフビジョントレーニングをいくつかご紹介したいと思います!

1. ウォーミングアップ

①顔を動かさないように1つの指標(自分の親指でもOK)を黒目で追いかけて見続ける

※自分で指標を動かすのが難しい場合は、お母さんや他の人が持って動かしてあげましょう。

 

⇒音読の時などに必要なゆっくりと目を動かす力が伸びます。

 

 

回数:水平方向に5往復 垂直方向に5往復 8の字に5回

※お子さんに合わせて回数は調節して行ってください。

 

②顔を動かさないように、視線をジャンプさせて2つの指標(自分の親指でもOK)を交互に見る

※自分で2つの指標を持って交互に見ても良いですし、お母さんや他の人が持ち、「りんご…みかん…りんご」など、どちらの指標を見るか伝えてあげても良いです。

 

⇒素早く視線を移動できるようになるため、球技の際にボールを見やすくなったり、教科書とノート・黒板とノートを見比べるのが速く、正確になります。

 

 

回数:水平方向で10回 垂直方向で10回

※お子さんに合わせて回数は調節して行ってください。

 

③目の前に近づいたり、遠ざかる指標(自分の親指でもOK)を距離に合わせて黒目を内側に寄せたり、外側に離したりして見続ける

※自分で行うのが難しい場合は、お母さんや他の人が持ち、近くに動かしたり遠くに動かしたりしてあげましょう。

 

⇒近くのものと遠いものに対して素早く焦点を合わせる事ができたり、工作などの手元での作業を行っても疲れにくい目になります。

 

 

回数:1日10回

※お子さんに合わせて回数は調節して行ってください。

2.ボールキャッチ

➀両手でキャッチ

ボールを上方に投げて両手でキャッチしよう!

⇒ボールを落とさないように10回

 

 

②片手でキャッチ

ボールを上方に投げて片手でキャッチしよう!

⇒ボールを落とさないように左右の手10回ずつ

 

 

③反対の手でキャッチ

ボールを投げた手と反対の手でキャッチしましょう

⇒ボールを落とさないように10回

 

 

④2つのボールでキャッチ

1)両手に1つずつボールを持ち、まず利き手に持っているボールを上方に投げる

2)ボールを投げている間に反対の手のボールを利き手に持ち替える

3)落ちてきたボールを反対の手でキャッチする

⇒以上の工程を繰り返しお手玉のようにボールを投げる・キャッチする

 

 

 

とても簡単なトレーニングですが、筋トレと同じで毎日コツコツ継続する事で効果が期待できます。努力は人を裏切りません。この中からできそうなものを選んで1日5分行うだけでも大丈夫です。

見る力を支える眼の運動能力、一緒に鍛えて毎日をストレスフリーで楽しく快適に暮らしていきましょう!

 

リハビリ発達支援ルームUTキッズ 作業療法士 上西