作業療法士は経験を支援する
明けましておめでとうございます。訪問看護ステーション所属 スーパーバイザーの中田です。
新年早々、地震や飛行機事故など悲しい状況を見ることが多く、いろいろと考えさせられました。
特に震災での避難では臨機応変な行動が求められ、父親としてまた、リハビリ支援者としてどのような行動が取れるかなど、事前に準備しておかないといけないと感じました。
我々が支援している発達に特徴のある子どもさんたちにおいては、こういった状況ではいっそう困難な場面となることが予想されます。その分事前の想定や準備が必要になるのではと思います。例えば、食べれるものの準備や落ち着く状況やものを準備すること、周囲の理解なども重要ではと考えられます。
さて、UTには訪問看護やキッズ、ジョブズなどに多くの作業療法士がいます。みなさんは作業療法士はどうのような専門職かご存知ですか?
作業療法についての認知は最近でこそ広がったように思いますが、以前はリハビリの人といった認識程度でした。また、リハビリは理学療法士の方がメジャーで作業療法は何をするのかわからないといった声をよく聞きました。
なので就職したての頃は作業療法は何をするのか説明するのに苦労したのを思い出します。
作業療法について簡単に説明すると「作業を治療手段として使用する専門職」です。「作業とは人にとって目的や価値をもつ生活行為」と言われます。もう少し説明すると「人がやりがいや楽しみ、役割と感じる、集中できる、達成感を感じる、自然に笑顔になるなど意味を感じること」です。大人にとっては「趣味」や「仕事」「家事」「育児」などなど。子供にとっては「遊び」「習い事」「勉強」などかなと思います。
楽しいことをしていると疲れを忘れたり、普段より頑張れたりしますよね。子供さんであれば遊んでいれば色々な動きや感情が生まれ、今までできなかったことに挑戦したり、新しい人との繋がりができたりしますよね。
そのように、作業に取り組む中でできるようになることを目標にし、作業をすること自体がリハビリになる といった考えのもとでできた専門職です。
私は普段のリハビリでは「作業を通して、いい経験を提供する」ということを大切にしています。
元々の趣味や役割を感じることなどができるように道具や方法を工夫することや、目的の作業ができるようになるための必要な動作を学習することを心がけています。
そのような支援で重要なのが「目標を共有する」ということです。
リハビリというと自然と体を動かしてもらうと受け身になりがちですが、利用者さんが大切に感じていることを聞き、どのような思いがあるのかを確認することで目標を共有でき、より主体的にリハビリに取り組む行動につながると思います。
その主体的に行動することが「いい経験をする」ことにつながると感じています。
子どもさんにおいても同様でしっかりと思いを確認して支援をしたいと考えています。どうしても、大人が主導していろいろ提案してしまう状況はありますが、目標や思いを確認し、必要なことを分析し、提案できることが作業療法士にとって重要なスキルではないかと考えています。
長くなってしまいましたが、以上は私が今までの経験で感じた作業療法についての考えです。他の作業療法士は違った考えを持っていると思います。
是非支援を受けている作業療法士に「作業療法士はどんな仕事?どのようなことを考えてリハビリしているのですか?」と聞いてみてください。いろいろな考えを持っていると思います。