時間の認知
最近某大作ゲームをプレイしているとあっと言う間に時間が経ってしまい困っている言語聴覚士、深澤です。
今日は時間の感覚についてお話したいと思います。
私が働いているUTキッズでは“感覚統合”をベースに療育をしています。
感覚と言うと俗に五感と言われる視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を思い浮かべる方が多いと思います。
これに固有感覚(力の入り具合)と前庭感覚(傾きの感覚)の2つを足した物を“感覚”として捉え、得意を伸ばし苦手とうまく付き合えるように整えていこう、というのが感覚統合です。
・・・が、上記の感覚の中に「時間感覚」という物はありません。
視覚は目、聴覚は耳、嗅覚は鼻、味覚は舌、触覚は皮膚、固有/前庭は筋肉や三半規管とそれぞれ感覚器(センサー)があるわけですが時間に関しては感覚器が無いため直接的に時間を知る事はできません。
では、私たちがどうやって時間を知覚しているかと言うと、大きく分けて二つの方法があります。①外的な情報を参照する方法 と ②内的な情報を参照する方法 です。①お日様の傾き具合や時計を見る方法 と ②腹の空き具合や疲れ具合で気付く方法 と言えば分かりやすいかもしれません。
感覚を研ぎ澄ますには注意を向ける事(例えば、目を凝らす、耳を澄ます)がとても重要です。遊び作業に夢中になると時計はおろか空腹感や疲労感に対しても注意が疎かに。結果的に時間感覚も曖昧になりあっという間に時間が過ぎる(ように感じる)という仕組みです。
身体を大きく動かす活動(外遊び等)であれば体の感覚に意識が向けやすくなるため時間の経過に気付きやすくなるのですが、冒頭で触れたようなテレビゲームや動画では少し勝手が違います。これらは主に視覚と聴覚から情報を受け取るだけで主体的に大きく体を動かすことはありません。そのため、疲労感や空腹感が出にくく時間の経過を体感する事が難しくなります。冒頭での僕が“あっという間に時間が過ぎる”と感じているのはこういう事ですね。
時間感覚を補う物としてタイマー等で時間を見える化すると共に時間経過を体で感じられるように沢山からだを動かす事が大切!月並みですがそんなオチのお話でした。
リハビリ発達支援ルームUTキッズ 言語聴覚士 深澤