「支えてもらう側から支える側へ」
こんにちは。訪問看護ステーションの作業療法士 今堀好昭です。
毎日寒い日が続きますが皆さまどうお過ごしでしょうか。今日は私が訪問リハビリで関わっている利用者様の紹介をしたいと思います。
半年ほど前から介入させていただいている利用者様で、奥様と二人暮らしのかたです。
色々な原因から食欲不振や体の固さ、意欲の低下などがみられ、生活面で奥様の介護が必要となっており、また、歩行時にはふらつかないように見守ったり、傍についている状態でした。
訪問リハビリ支援開始当初は、体が動きにくくなっていて、食事量も減り、外に出ていくのが億劫になっておられました。1日の過ごし方はベッドで寝ているか、座椅子に座って過ごしているかでした。そのことも影響し、足がむくんでおり、寝ている時間が長いため踵が床ずれを起こしそうになられていました。
体を動かす機会が少なくベッドでもあまり寝返りも打たないような方でした。
体が弱くなっていたことに不安もあり、体を動かす自信も少し失われておりました。
訪問リハビリでは、寝ているよりも座っていただく、座るよりも少しでも体を動かしていただく、ということから指導させていただきました。そして、今できていることに対して目を向けていただけるように、フィードバックをおこないました。これによって、自信を持って動けるようにうながしました。
支援の中で、体を動かして行けるなと判断したタイミングで自主訓練を追加で指導しました。また、自主訓練の状況を訪問のたびに確認し、フィードバックを行いました。
すると、みるみる体や動きが良くなられて、足のむくみは無くなりました。笑顔が多くなり、表情も良くなられ、自宅の前を1000歩程度散歩できるまでに回復されました。
その後は、目標を徐々に高く設定し、1800歩、2000歩、今は2800歩と少しずつではありますが歩行の距離が伸びていきました。自主訓練を含め積極的に運動できるようになられています。
もう一つ大きな変化は、奥様の家事のサポートをされるようになりました。
奥様の体を労わって食器の片付けや洗い物、重たい物を運んだりされるようになられました。以前は奥様に支えてもらっていたのに今では支える側になられました。
訪問リハビリで関わらせていただいている中で、奥様や利用者様から「良くしてもらって本当に助かってます」と嬉しい言葉をいただきました。
訪問リハビリで関わっていて嬉しい瞬間です。
UT訪問看護師テーションでの支援では、自立(律)していただくことや社会での役割を獲得することができるを理念に日々リハビリを実施しています。紹介させていただいたり利用者様のように自宅での役割(家事をすること、奥様と支え合うこと)が再獲得できるように、できていることに着目し、自信を持って安全に行動できるようにステップアップを支援しています。
写真は、この利用者様の家で飾られているセンリョウが綺麗だったので撮らせていただきました。
利用者様から教えていただきましたが、水さえあれば3月ぐらいまで咲き続けるとのことです。
ユーティー訪問看護ステーション 作業療法士 今堀好昭