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2024.04.23

身体拘束等の適正のための指針

  • ユーティー訪問看護ステーション(以下、「ステーション」という)における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方

身体拘束は利用者の生活の自由を制限するものであり、利用者の尊厳ある生活を阻むものです。利用者の尊厳と主体性を尊重し、拘束を安易に正当化することなく職員一人ひとりが身体的・精神的弊害を理解し、拘束廃止に向けた意識を持ち、身体拘束をしない支援及びケアの実施に努めます。

 

  • 身体拘束及びその他の行動を制限する行為の原則禁止

原則として、身体拘束及びその他の行動を制限する行為(以下「身体拘束等」という。)を禁止します。

 

  • 緊急やむを得ない場合の例外三原則

利用者本人又は他の利用者の生命又は身体を保護する為の措置として、緊急やむを得ず身体拘束を行う場合は、身体拘束等適正化委員会を中心に充分に検討を行い、身体拘束による心身の損害よりも拘束しないリスクの方が高い場合で、切迫性、非代替性、一時性の3要件全てを満たした場合のみ、本人又は家族への説明同意を得て行います。

 

① 切迫性

利用者本人又は他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。

② 非代替性

身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと。

③ 一時性

身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。

 

  • 日常的支援における留意事項

身体拘束等を行う必要性を生じさせないために、日常的に以下のことを取組みます。

① 利用者主体の行動・尊厳ある生活に努める。

② 言葉や応対等で利用者の精神的な自由を妨げないよう努める。

③ 利用者の思いをくみ取り、利用者の意向に沿った支援を提供し、多職種協働で個々に応じた丁寧な対応をする。

④ 利用者の安全を確保する観点から、利用者の自由(身体的・精神的)を安易に妨げるような行動は行わない。

⑤ 万一やむを得ず安全確保を優先する場合、身体拘束等適正化委員会において検討する。 ⑥ 「やむを得ない」と拘束に準ずる行為を行っていないか、常に振り返りながら利用者に主体的な生活をしていただけるよう努める。

2.身体拘束等適正化委員会その他ステーション内の組織に関する事項

(1)身体拘束等適正化委員会の設置

身体拘束等の適正化を目指す為の取り組み等の確認、改善を検討する為に身体拘束等適正化委員会を設置し、その結果について従業者に周知徹底を図ります。委員会は3月に1回以上開催し、緊急時等必要のある時は、適時委員会を開催します。その結果について、看護職員その他従業員へ周知徹底を図ります。

※ ステーション安全管理委員会と同時に開催できるものとします。

 

(2)委員会の構成員

管理者、所長(所長代理)、ステーション安全管理委員会メンバー

 

(3)委員会での協議内容

本委員会では、次のような内容について協議し、検討内容、協議結果について 記録し、従業者に周知徹底します。

・3要件(切迫性・非代替性・一時性)再確認

・身体拘束を行っている利用者がいる場合

要件の該当状況を個別に具体的に検討し、併せて、利用者の心身への弊害、拘束をしない

場合のリスクを評価し、拘束の解除に向けて検討します。

・身体拘束を開始する検討が必要な利用者がいる場合

3要件の該当状況、特に代替案を検討します。

・身体拘束に関する職員間での意識啓発や予防策等、必要な事項の確認、見直し

・今後の予定(職員研修、次回委員会)に関する事項

・その他身体拘束等に関する事項

 

3. やむを得ず身体拘束等を行う場合の対応に関する基本方針

本人又は他利用者の生命又は身体を保護するための措置として緊急やむを得ず身体拘 束等を行わなければならない場合は、以下の手順をふまえて行うこととします。

 

  • 利用前

① 事前の情報で緊急やむを得ず身体拘束等を必要とする場合は身体拘束等適正化委員

会にて協議する。

② 身体拘束等の内容、時間等について、「身体拘束・行動制限に関する説明書」に記載し、利用者及び家族に対し現場責任者が説明を行い、同意を得る。

 

 

 

  • 利用時

利用中の経過から緊急やむを得ず身体拘束等を必要とする場合は、身体拘束等適正化委員会において実施件数の確認と身体拘束等をやむを得ず実施している場合 (解除も含む)については協議検討し、議事録に残す。

 

  • 身体拘束等の継続と解除

① 身体拘束等を行っている間は日々経過観察を行い、「緊急やむを得ない身体拘束に関す

る経過観察・検討記録」を用いて、身体拘束発生時にその態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録する。

② 身体拘束等適正化委員会において協議し、継続か廃止かの検討を行う。

③ 身体拘束等継続の場合は、引き続き日々の経過観察を行い、「身体拘束経過記録」 に記

録する。

④ 身体拘束等解除の場合は即日、現場責任者より家族に身体拘束等解除について説明し

同意を得る。

 

  • 緊急時

① 緊急やむを得ず身体拘束等を行うときは、職員同士で協議し緊急やむを得ない理由を訪問看護記録書に記録する。その後の事は身体拘束等適正化委員会において協議する。

② 家族への説明は現場責任者が行い、同意を得る。

 

4.身体拘束等廃止・適正化のための職員教育、研修に関する基本方針

支援に関わる全ての職員に対して、本指針に基づき、利用者の人権を尊重した支援及びケアの励行を進めると共に、身体拘束等の適正化に関する基礎的内容や適切な知識を普及、啓発することを目的に研修を行います。また研修の実施に際しては、研修資料、 実施概要、出席者等を記録します。

 

① 年間研修計画に基づく定期的な教育・研修(年1回以上開催)

② 新任者採用時は、新任者のための身体拘束等廃止・適正化研修

 

5.利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針本指針は、利用者や家族が自由に閲覧できるように事業所内に常に設置する。

 

 

 

附 則

この指針は、令和 6 年 4 月 1日より施行する。